協働ロボットFAIRINO 仕様調査

IREX2023で展示されていた50万円協働ロボット FAIRINO

FAIRINO FR3を借用することができたので、マニュアル等で調べた仕様と触ってみて分かったことをまとめた。

  • 製造販売会社
    • FAIRINOブランドでのロボットをしているのは中国・蘇州にあるFair Innovation (suzhou) Robot System Co., Ltd
    • 2022年には58億円の資金調達
    • ロボット最大生産能力は 10,000台/年(通常3000台)
    • 販売国の80%は中国国内。
  • 日本代理店
  • 協働ロボットのラインナップ
    • 3kg可搬、5kg可搬、10kg可搬、16kg可搬、20kg可搬
  • 協働ロボットとしての安全認証
  • 衝突停止機能
    • 軸毎にパーセンテージでの閾値設定可能
    • 衝突検知は他メーカーと同レベル
  • アプリケーションの二次開発
  • ロボット動作のプログラミングツール
    • ビジュアルツールとしてはBlocklyとグラフノードが使用可
    • 直接記述はLua言語で記述可能
Blockly
グラフノード
  • エンドフランジ寸法
    • 他メーカーの寸法と同じで多くの汎用グリッパーが取付可能。電気用コネクタのサイズは同じだがピン配置は異なるため、配線は準備必要(DH-Roboticsはオプションであり)
  • 設置について
    • 水平、垂直、倒立でも使用可
    • ボルト締付寸法は他メーカー(UR等)の同可搬と合わせてあり、架台は流用可能。

Dobot CR3との比較

FAIRINO FR3Dobot CR3
可搬重量3kg3kg
リーチ622mm620mm
繰り返し精度±0.02mm±0.02mm
エンコーダ分解能16384(14bit)524288(19bit)
最大TCP速度1m/s2m/s
保護レベルIP54IP54
IO入力16点 出力16点入力16点 出力16点
ロボット重量15kg16.5kg
コントローラー重量2.1kg12kg
入力電圧220V100V or 48V
最大電力170W
ダイレクトティーチありあり
オフラインティーチあり(付帯取込不可)あり(付帯取込不可)
  • その他
  • 安くできる理由の推定
    • モーターの出力が小さい。最大速度が1m/sと他社に比べて小さいため、モーター、減速機、アンプ等を小さくできる。
    • アーム形状の簡略化。基本円筒状で複雑な形状にしない。
    • コントローラーの簡素化。排熱効率等を犠牲?
    • アプリケーションがまだまだ他メーカーにくらべると作りこめていない